武士に好まれた肥後菊、清らかさが漂う嵯峨菊、伊勢神宮の伊勢菊、日本原産の菊

神社境内で開催される菊花展

 菊日和の一日 菊花展を鑑賞。

 万葉集にも詠われている古い神社の菊まつりは毎年開催されます。
コンンクールで入賞した菊が参道両脇に展示されているのが圧巻。
花火のように大きく開いた菊が並んでいる

 まずは本殿でかしわ手を4回打ちます。

1本の幹から大輪の花
1本の幹から大輪の花を咲かせています

境内には立派で大きな菊が展示されており、神社と菊の花が一つになっている。
参拝と見物の両方が出来て観光客にも人気コースとなっています。

日本原産の肥後菊、伊勢菊、嵯峨菊

日本原産の菊

1,肥後菊:武士道が盛んだった頃、細川藩士の教養の一つとして熊本地方で栽培された菊。
      明治天皇が好まれたという。

肥後菊

2,嵯峨菊:千年の昔から京の宮廷で栽培されていた菊。
      現在は嵯峨野にある大覚寺で育てられ清らかな姿が特徴。
      茶席用の花として現在でも重用されている。

優雅な嵯峨菊
優雅な嵯峨菊

3,伊勢菊:伊勢神宮周辺で栽培されていたという菊。
      花弁がよれて垂れ下がっている。

日本原産伊勢菊
日本原産伊勢菊

4,江戸菊:徳川中期より江戸で栽培されている(菊の展示が見当たらない)

など。(越後一宮、弥彦神社の説明を参照)

食と菊

どこかで見たことのある「菊と盃」、花札にありますね。

 重陽の節句(9月9日)に菊酒を飲むという習慣がありました。
菊の花びらを酒に浮かべて飲むという何とも風流なの味方です。

 料理に菊が添えられているのは今も目にします。
また、食用菊を食す地方(新潟、山形など)は現在も盛んに食用菊を栽培しています。

菊を英語で言うと

chrysamthemumと古い辞書に書いてあります。

別名をgolden flowerとあります。やはり黄色が主役のようです。
ball-shaped flowersとあるので西洋菊が主流を占めているのもうなづけます。

クリーム色の丸い菊

菊の生産量日本一の県 

愛知県田原市です。愛知県の情報によると全国の36.4%を占めているという。
田原市は菊農家の継承者も多いということです。

温暖な気候のお蔭もありますが、日夜ハウスで栽培するには電気設備が重要だと聞きます。
年中、需要があるのは、菊の花の清らかな姿の所以でしょう。

神社の境内には最も合う菊の花

ご皇室のおしるしということもありますが、(日本原産)の菊の姿は清楚な花という印象を与えます。

菊を詠んだ句

「菊の香や 奈良には古き 仏達」(松尾芭蕉)