元号「令和」の誕生に、万葉集第5巻にある梅を愛でながら盃を交わす歌があります。
気品のある梅の花が万葉の時代から愛でられていたようですね。
ということで梅の花を見に京都 城南宮を訪ねてみました。満開の梅と落ち椿に感嘆の声が聞こえます。
神苑には参拝客が多かったのですがコロナ禍、マナーを守る人たちがほとんどだったので心配は無用でした。花を楽しむ心の余裕は持ち続けたいものです。
城南宮の歴史
平安時代に都が遷った時に国の安泰と都の守護を願って創建されたそうです。
後期になると城南宮を囲むように離宮が築かれ院政の拠点になりました。
明治維新を告げる鳥羽伏見の戦いは写真にある城南宮の参道から始まりました。(城南宮案内参照)
神苑 しだれ梅が満開
華やかに広がるしだれ梅の数々は見事な景色です。150本のしだれ梅が競うように咲いています。見物客は梅に負けている、そんな感じになってしまうほどです。
落ち椿と梅の花
プロ、アマカメラマンの人気場所が落ち椿と梅の花が同時に撮影できる場所です。
時代を問わずに花を愛でる気持ちは同じです。
神苑には源氏物語に因んだ椿
平安の庭ゾーンには源氏物語に因んだ名の椿が植えられています。
樹齢200年の離宮椿と300年の藪椿は派手さはありませんが凛とした美しさがあります。
藤壺
源氏物語に出てくる「藤壺」は源氏の亡き母によく似た人ということで入内した妃、母親と慕う藤壺・・・・と物語が展開していきます。
源氏物語を書いた紫式部は世界で最初の女流作家
やまとことばの素晴らしさを伝えた源氏物語の作者、紫式部に因んだ椿。
紫式部はちょこちょこ作品に顔を出したというのです。
作者は上流階級的な婦人ですから、登場人物もほとんど貴婦人だという。
日本に一番平和な時代を象徴するのが平安時代、2番目は江戸時代、3番目は平成時代という。
そんな一番平和な時代に世界で最も優れた女流歌人を輩出している日本。
紫式部以外にも和泉式部、清少納言などの女流文学者も作品を多く残しています。
源氏物語は神代以来の人間の生き方を書いているんだと「国境を越えた源氏物語」(PHP出版)に書かれています。
漢語の時代に、やまとことばだけで書かれた源氏物語にもっと目を向けるべきでしょう。
故渡部昇一氏によると、徳川家康は源氏物語を大変好んでいたということです。
そういえば平安貴族の文化を取り入れた「お雛さま」は江戸時代に庶民に広がったとうことです。 日本では、女性の時代はすでに紫式部の時代から始まっていたのです。